遠くへ旅に出たい創作者の雑記

取り留めのないことを思いついたままに書いてます。自サイトにて一次創作の小説とイラストをぼちぼち。URL:https://plus.fm-p.jp/u/no104fish

追い詰められたときほど、その人の本質が表れる

『追い詰められたときほど、その人の本質が表れる』

タイトルにも書きましたが、あらゆる媒体で時々見かけるこの言葉。私はあるときを堺に、この言葉を見ると苦しくてたまらなくなるようになりました。

というのも、自分の本質が人として最低のクズだったと追い詰められたときに露呈した出来事があったからです。

最近あった出来事の一連の流れを追っているうちにそのことを思い出したので、懺悔の思いと気持ちの整理を兼ねてブログに書こうと思います。

 

胸糞悪い話なので少し間あけます。

 

 

 

 

 

前回の記事に引き続き、同じ職場にいたときの出来事でした。私は自己保身から先輩(前回の直属の上司とは別の人)を裏切ってしまったことがあります。

その先輩は仕事が恐ろしくできる人でしたが、正義感も気も強いいわゆる高圧的なお局様といった感じの人でした。部署内の人と揉めたり萎縮させてしまうことも多々あり、何もトラブルになったことがない人の方が珍しいという勢いでしたが、入社したばかりの頃から私にはとても優しくしてくれる人でもありました。

あまりにもトラブルが多いので先輩は異動になったのですが、異動先でもトラブルが起き、また戻すかどうかと話があがりました。部署内の人は一度トラブルを起こしているので、戻ってくることにかなり難色を示していました。

この件を担当していたパワハラ上司に以前「この部署で起きたトラブルの責任はあさりしぐれさんにあるから」と言われたことがありました。もちろん何の役職もなく、入社2年目の下っ端で、ただ部署内の業務をまとめているだけの私の責任なわけがありません。パワハラ上司の管理責任能力のなさをこっちのせいにするなと内心では思っていました。ですが私はこのパワハラ上司という人物の人間性を全く信用しておらず、この人なら私に責任をなすりつけて逃げる可能性は十分にあり得ると考えていたのです(パワハラ上司と呼んでるだけあって、他にもセクハラモラハラ等ハラスメントの見本市みたいな人でした)

もし先輩が戻ってきても、そこはすでに揉めた人たちの集まりです。何かトラブルが起きる可能性はかなり高いのではと考えていました。年齢も勤続年数も私は最年少、先輩自身が「業務をまとめる立場っていっても若くて舐められる」と過去に言っていたことがあり、正直私は先輩に親切にしてもらっている事実と同時に甘く見られているのでは…という自覚もありました。

実際他部署でのトラブルの話を先輩とした際に助言っぽいことを話したのですが、でもあの人は絶対許せない、私は間違ってないの一点張りで聞き入れる姿勢はなかったことを覚えています。そのとき立ち会ったもう一人の社員さんに、私の話はやっぱり参考にもならない考えでしたか?と聞いたところ、そんなことはなかったと言ってもらえたので、全く意味のないお花畑な考えというわけではなかったと思っています。

元々仕事内容だけで直属の上司が限界寸前なくらい多忙なところに(前回の記事に少し書いています)人間関係の管理まで追加されると思ったらとても耐えきれない。私には荷が重い、とても対応しきれない、無理だ。そんなふうに切羽詰まった気持ちだったところで、パワハラ上司が私に尋ねるんです。

「あさりしぐれさん、先輩さんを戻すのどう思う?」

私は正直何と答えるか迷いました。私の一存でもし戻ることになったら同じ部署にいる揉めてきた人たちはどう思うだろうという気持ちもありました。恨まれることも、私は害がないから良いとしても他の人はまた萎縮して仕事する毎日になるかもしれないとも考えました。

結局素直に「私では対応しきれないので困ります」と答えました。私に決定権があるわけでもないのにわざわざ聞いてくるパワハラ上司も本当にクソですが、今にして思えばこれにハッキリ答えたことがそもそもの間違いだったんだと思います。私に決定権はないからパワハラ上司さんに任せますと言えばいい、ただそれだけだったんです。でも当時の私にそんな頭はありませんでした。自分に裁量があると思い込んでいた無知も大きいです。

後日、パワハラ上司と先輩が話し合っているところに呼び止められました。正直、忙しいって見てわからんのか???とイラッとしましたが、無視するわけにもいかず会話に加わることに。開口一番信じられない一言をパワハラ上司は言いました。

「あさりしぐれさんも先輩さんが戻ってくるの嫌って言ったんだよ。ほら、あさりしぐれさんも言ってやってよ」

正直は?って怒りと、実際に困ると言った手前、言ってないというのも嘘っぽいしと血の気が引く思いでした。とにかくその瞬間いろんな意味で腹が立って強めに「嫌ではなく困ると言ったんです!私ではトラブルの対応はしきれないというだけで先輩さんが嫌とかではないです!パワハラ上司さんが責任持って対応するなら問題ないです!」的なことを言って弁明したのですが、先輩からすれば嫌も困るも大差ない響きだなと思います。こうして私は親切にしてくれた先輩を自己保身のために手酷く裏切って傷つけました。

その後先輩から、そんなふうに思っていたのか、困らせてしまって申し訳なかったという連絡をもらいました。私は罪悪感と申し訳なさで、パワハラ上司の責任なすりつけ発言と自己保身に走ったことを伝えて謝罪しました。それから間もなく先輩は退職していきました(理由は私だけではなく会社から別件で退職勧告があったと後で聞きましたが…)

全て終わって思うのは「先輩は100%庇える人ではなかった」「パワハラ上司が終始クソムーブだった。くたばれ」ということを加味しても、追い詰められた末に表した本性が親切にしてくれた人を自己保身で切り捨てるというゴミクズ同然の人間性だったということです。

元々正義感というか人間性に対する潔癖さがあり、自分は善良な側だとどこかで思っていた傲慢さが災いし、自分自身に絶望も失望もしたし、本当に酷く打ちのめされました。実際にいまだに気分をドン底に突き落としてくれる深い傷となって心に刻まれています。

ここまで読んでくださった方は気づいていると思うのですが、これだけ酷いことをしておきながら、先輩やパワハラ上司の落ち度(事実ではあるけど)やこの出来事が心の傷になったことを私は書き記しています。そこが私がゴミクズたる所以なんだと思います。

私だけが悪かったわけじゃないと思わないと、とてもやっていけないんです。そもそも巻き込まれてしまったことで深く心に傷を負うことになったという被害者意識が確かにあるんです(自分のアホムーブももちろん一因ではあるけど)

『追い詰められたときほど、その人の本質が表れる』

本当にキツくて見たくもない言葉ですが、全くその通りなんだと思います。私はこれからも自分は人として最低な人間だったという事実を背負っていく生きていくしかないんです。

将来少しでもこの出来事が活きて、追い詰められても誠実に対応することを忘れずにいられたらと思うばかりです。