遠くへ旅に出たい創作者の雑記

取り留めのないことを思いついたままに書いてます。自サイトにて一次創作の小説とイラストをぼちぼち。URL:https://plus.fm-p.jp/u/no104fish

不思議な夢を見た話

寝ているときに見る夢、夢を見てから時間が経っても妙に印象深くて覚えている夢ってありますか?

私にはあります。10年くらい前に見た夢なんですが、当時からすごく印象的で鮮明で不思議な夢でした。ちょっとファンタジックホラー味があって何かの物語の導入になりそうな夢で、忘れる前にブログに書こうかなと思います。たぶん書いたことない気がするんですけど、すでに書いてたらすみません。おばあちゃんそれ前にも話してたでしょ(笑)ってことで。

 

以下、夢の中の話↓

 

私の出身は中途半端な感じの田舎で、なぜか実家から二駅離れた駅の使ったことない路線のホームにいました。『ここ◯◯駅だな』と思いながらホームにある時計を見ると15時前くらいで、昼間かつ青空も見えて明るい。線路の向こう側はいつもの景色ではなく、ぼんやりと白っぽくて明るい…何か具体的なものが見えてるわけではないけど感覚として菜の花畑とかコスモス畑みたいなイメージの明るさ…と言えば伝わるでしょうか?そんな感じの暖かい雰囲気でした(でも季節は寒い時期だなって感覚はありました。3月くらい?の感じ)

ただ田舎といえどこの駅はそこそこ人の多い駅だったので、どのホームにも誰もいなくてガランとしているのを珍しく感じていました。

気づくと目の前の線路に乗ったことのないローカル路線の車両(ド田舎走ってる感じの外観で両数も少ないやつ。実際のこの路線の電車と同じ外観)が停まってました。この駅はこの路線の始発だったので、発車待ちしてるんだなってわかりました。

この電車がどこに行くのか、自分がどこに行く予定だったのかもわからないのに、私はなぜかこの電車に乗らなければいけないような気持ちになっていました。そのまま気にせず乗り込むと、すでに中に数人乗客がいました。でもその乗客たちを見た瞬間寒気のようなものがし、ものすごく嫌な予感というか乗ってはいけないような感覚になりました。なんだか生気がなくて不気味だという印象でした。

行き先も行きたいところもわからないのに乗る意味はないと気づき、幸い発車待ちで扉が開いたままだったので乗ったところから降車。乗客の見た目は至って普通だったのに何でこんな気持ちになったんだろうとその場で車両を見ていました。

「その電車乗らない方が良いですよ」

急に声をかけられてびっくりして見ると、20代半ば〜後半くらいの男性がそばにいました。黒髪の短髪に、スラッとしていて背も高め。かっちりと着こなしたグレーのスーツ姿はいかにもなサラリーマン風の出で立ち。微笑みまではいかないけど、柔らかい表情で諭すように声をかけられました。

私はあまり3次元の人にカッコいい〜!とか感じるタイプではないのですが、爽やかかつ優しそうな雰囲気と清潔感から『顔整ってんな…』という第一印象でした。

「その電車乗らない方が良いですよ」

また同じことを言われて呆気に取られてると男性はホームから帰るのか改札に向かう階段の方へと歩いていってしまいました。

「何でですか?」

私は追いかけて歩きながら質問したのですが、階段を登っているうちにふと目が覚めました。そのときになってようやく自分が夢を見ていたのだと気づきました。

男性ですが、知り合いでも芸能人でもなく、全く心当たりがないのにやけにハッキリと覚えていてとても不思議な人だなと感じていました。同時に何か薄気味悪い夢だな、とも思っていました。

 

これが一度目の夢です。これだけだったら何となく不思議だなー程度で強く印象に残ることはなかったかもしれません。なぜここまで不思議だと強烈に印象に残っているかというと、私はこの見覚えのない男性と3日後に見た夢の中で再会したからです。

 

2度目の夢のとき、私は自分の家にいました。そのときも昼間で3月くらいの寒い感じ。明るいけど空は曇ってる感じでした。景色は全く現実と同じで、前回のように変わってるとこはなかったです。

何となく窓から外を見ると、自宅と前にある家との間にある道路にあの電車が停まっていました。線路なんてもちろんなくて、電車は微妙にふわふわと浮遊してる。それを見た瞬間、数日前の夢とリンクして、今自分が夢を見ているんだと自覚しました。

『私を迎えに来たんだ』

なぜか頭でそう思い、ヤバい、まずい、どうしようと焦っていました。気づくと私は電車の前まで瞬間的にワープ?していて、電車を見上げていました。あのときと変わらず、扉は開いたまま。『なんで私、目の前に来てるんだ。いつの間に外に出た?』と混乱していました。

乗ってはいけないとわかっていて、好奇心や興味があるわけでもないのに、私は何となく?恐る恐る浮遊する電車に足をかけて乗りかけていました。

以前同様車両内には乗客が疎らに乗っていて、そのうちの一人のおじいさんと目が合いました。見た目も顔も表情すらも普通なのに、その目に生気を感じないことに背筋が凍るような心地になりました。

【猿夢】という都市伝説?怪談話?は知っていますか?私はその話をこの夢を見る数年前に知っていたこともあり、その段階でちょっとテイスト?が似ていると感じていました。【猿夢】は作り話だろうとわかっていても、もしこれが本当に【猿夢】のような感じの夢だとしたら、私は死ぬまでこの夢を見続けるのか?夢に殺されるのか?と血の気が引く思いでした(ホラー苦手なので)

すでに迎えに来てるし、前の夢で一度でも足を踏み入れてしまったことで取り返しがつかない事になってるのかも。今も片足かけてしまってるし、もう手遅れかもしれない。その場で固まって動けずにいました。

「電車に乗るんですか?」

声をかけられたことでフッと我に返り、電車から降りて少し距離を取れました。声のした方を向くと、思ってたよりも近くに以前の夢でも声をかけてくれた男性が立っていました。

「乗らないですよ!?」

男性の顔を見た瞬間、緊張の糸が切れるような安堵感がありました。ざわざわしていた気持ちも、恐怖心や焦りも消えて『助かった。もう電車に乗らなくて済むんだ』と感じていました。

「なら良かった」

あまり私は人の表情を読むのが得意ではないと思うのですが、男性が安心したーって感じで微笑みかけてくるものだから不覚にもときめいた(笑)

『私はともかく、何で男性の方が安心してるんだろ?』とか『まぁ、わけわからなくても夢なんてそんなもんか』とか『もうこの夢は見ない気がする。この人ともここまでか』と思っているうちに、気づくとぼんやりと朝を迎えていました。

目が覚めたとき、以前感じていたような薄気味悪さはもうありませんでした。夢は夢で、【猿夢】のように夢に殺されるなんてことはないかもしれない。それでも私はあの男性に助けられた、救われたと感謝していました。もしあの男性が現実にいるならロマンあるなー、覚えているならお礼言いたいなーとか、まだ夢でも見てるんか?みたいな非現実的なことを考えていたのを覚えてます(笑)

 

あれから私はその電車の夢は見ていません。男性と夢でも現実でも再会していません。これだけ鮮明に覚えている中で唯一、ハッキリと覚えていたはずの男性の顔だけを忘れてしまいました。目が合ったおじいさんの方がまだなんとなく覚えてるくらい(当時はおじいさんよりも男性の顔の方がハッキリ覚えてた)

男性のことだけ記憶が薄れてしまったという、そういう不思議さやミステリアスさも含めてとても印象深くて不思議で、10年ほど経った今でも忘れられない夢になっています。

今では面白い経験をしたなーって思っています。これをもとに小説かけたら面白いかなと最近は考えたりもします。

人それぞれ自分だけの不思議な夢があるんだろうなって思うとロマンがあるし、面白いなって思いますね。